1/8 大阪・RAIN DOGS〜ワン・ツー・ロックンロー

りんちゃんちは京都の町屋で、もうものすごく居心地が良くて、朝(正確には昼)からガスストーブの懐かしい暖かさをまじまじと見つめながら、昨夜とは全く違う柔らかく流れる音楽を耳に、生きるとはなどと大層な事を全く大層でなくぼーっと考えたりした。お手伝いしますと張り切ったのに、与えられたコーヒーの豆挽きを非力のためか根気のないためか半分しか出来ずに、あとはにしまきに「楽しいからやってごらんよ」と手渡す。朝のお務めもろくにできないのに、暖かいスープとパンを施された。しあわせのひとつの形。

一度にしまきのとこ戻って梅田に出直さないと行けない。すでに案外な時間だ。やはり観光など一切しない。京都へ来てライブハウスオンリーとは。今回は歯止めの利かない今の私にとって鬼門の有次は素通りしたし。だって見たら最後なんだもの。

昨夜カシミアのとっくりで湯気出したので、着替えて薄着で行ったら寒くて寒くて、何しろ2番目のバンドに震え上がる我ら。最初のデグルチーニはちょっと変わった趣向のバンドで、地下のお芝居とか好きな人なら好きだろう。林檎とチバの一部を抽出してミックスして芝居がかった感じにしたらああなるかもという感じです。いっちょん分からんやろ。で、問題の次のバンドですが名前も忘れた。大体、昨日から「音楽はまだまだ難しいなあ」と己の方程式で出るのとは全く違う解にびっくりしていたのに、もはやそういうレベルですらない。世の中は広いなあ。世の中は恐ろしいなあ。床がコンクリートで寒かったことを除いても、思い出すと震えてしまう。忘れたくても忘れられない瑕疵ができた。この数学でのカウントの方法「ワン、ツー、ロックンロー」。
3番目は昨日に引き続き野村麻紀ちゃん。穿いてたストッキングが伝線して買いに行ったけど好みのがなくてとその伝線を見せてくれたのはいいが、「デニールが」とか言ってる。大体少ない客でそこで笑うのうちらのテーブルだけ。どうやら彼女は無類のプロレス好きなのか、「どんなのが好きかというと、ラッシャー木村ぐらいの」とか言ってる。おかしい。あるお客さんがベースの子の熱烈ファンらしく、麻紀ちゃんの歌など全然聞いてない様子で、しきりに携帯やカメラで写真撮ってる。そう、そのベースだけ。おかしくておかしくて、そしたら麻紀ちゃんがわざわざベースのとこに飛んでって邪魔している。ワンショットで撮りたいらしい客との壮絶なバトル、最後は諦めて2ショットでも撮っていたようだ。面白いもの見せてもろうた。

1/8 大阪・RAIN DOGS〜ワン・ツー・ロックンロー_c0006758_1527501.jpg大阪で初めてやるというストンパーズ、お客さんすくなー、もったいねー。名古屋のファンたちは来ないのね。応援がてら来るだろうと、前回DVD譲ってもらったりしたからカステラ持って行ってたのに。食べやすいように個包装のにしたのに。これは翌日が名古屋でライブというからトモヒロくんに託す。それにしても、メンバーと同じくらいの客数。マンツーマンか。昨夜「うるさい客ですいません」と謝っていたら「明日もそれでお願いします」と言われていたのでハッスルする。頼まれなくても3人分くらい働いているけど、にしまきは6人分頑張ると言っていた。実際にあの空間で大騒ぎする私たちは、この分野では向かうとこ敵なしやな。負ける気がしねえ。恐ろしい。私たちをよく知ってくれている人でさえ、余りの傍若無人さに戦くかもしれん。終わってからトモヒロくんに「今夜は私たちのためにありがとう」と言うと、「うん。それは間違いないね」と言っていた。リーダーのゲルさんに「お疲れさまでした。うるさくてすいません」とまた謙虚に謝ったら「いや、助かりました」と言われた。助かったて、ステージがディフェンス!確かにこの二日間の私たちのライブスタイルは実にオフェンスやったもんな。もはやファウルも辞さない覚悟で。昨夜より2曲多かったのかな?アルバムに入っていないインストの曲がもの凄くかっこよくて、思い出してはスイッチが入り気が触れる。あまりにいい夜で、お部屋に帰っても眠りたくない。ものすごく眠たいけど、もったいなくて眠りたくない。大人になっても、まだまだこんな夜はあるんだなあ。
by kuriyumi-panda | 2006-01-10 15:40 | voyage